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インタビュー:風間天心さん (3月19日)

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美術家で僧侶の風間天心さん。お兄さんが一人いることもあり、お寺を継ぐことは運命付けられていないが、「お寺を継ぐことには抵抗があったけれど、お坊さんになることには関心がありました。なりたかった。」

宗教と呼ばれるものの根本には否応なく組織という枠組み、礎がある。連綿と続く歴史を受け、今現在もそれを存続させたいと思う人たちがいる。それを批判する気持ちは無いが必然的に「では他のアジア諸国ではどうなのかっていうことに関心が戻ってきますよね」
父・直樹さんのインタビュー中、息子さんを抱っこしつつ一緒に話を聞いてくれていた。「父親の世代、60,70代ぐらいの人たちとはかなりスタンスが変わってきてるんですよね。ああいう父親世代あっての俺らの世代ってのもあって。」

そして、天心さんが美術家と僧侶と二つの在り方を持つことについて話してくださった。やわらかなせめぎ合いの中で、天心さんにしか見えない景色がある。
「ぼく元々の性格もあると思うんですけど、簡単に答えを出さない方がいいなというのんびりしたところがあって、簡単に答えに陥ってしまうとしたらそれは逃げだと思う。向き合うものが大きければ大きいほど、それが下手したら死ぬまで葛藤し続けなければならないことがあって。向き合っている壮大さを信じているからこそ、きっとそこはもう最後まで納得できなくても簡単にケリをつけちゃいけないんだと思っていて。そうすると、最初からそのぐらいの迷い続ける覚悟は無きゃいけないなと思うんですよね。さらに僕は、まあ、そりゃ引き裂かれるだろうという立場におかれていたら、甘いところで葛藤するよりも相反するものの中で葛藤する方が見つかるものも多いだろうと思うんです。相反するものはどこかでつながるだろうという意識もあるんですけど。」