2016年3月23日
6時起床。6時半にはチェックアウト。荷物をもって、いざ松前へ。
カモメか何かが鳴いている。JR函館駅へ。
この時期はちょうど新幹線開通に伴って、松前の方に行く電車が廃止されていた。それで、函館から行くには朝早い電車に乗らねばならぬ。それでも到着は10時を過ぎる。松前には木古内からバスが出ているのでまず木古内まで電車で行く。 函館駅で驚いたのは、Suicaが使えないことだ。改札にタッチできるところがないし、チャージも緑の窓口しかできない。意外と函館も田舎だなと思ってしまう。 6時50分発、普通列車の木古内行きは列車が一両。やはり田舎だなぁ。でもこういうのは悪くない。いかにも旅という感じではないか。 乗客は意外といる。函館から5人くらい乗ったかと思う。住宅街や海沿いを走り、8時には木古内に着く。 バスが9時までないのでトイレなどで時間を潰す。木古内の道の駅は「みそぎの里」という。「みそぎ」というのは伝統神事「寒中みそぎ祭り」に由来しているらしい。9時にバスに乗る。主に海沿いを走る。途中、地元のおばあちゃんが数人乗ってきたりして一時にぎやかになるも、十人以上がバスに乗っていることはなかった。
10時35分に松前到着。寒い。天気は曇り。「北海道唯一の城下町」と謳うだけあって、郵便局も何もかも瓦屋根が載っている。 松前城へ向かう。このお城自体は昭和につくられたもので、幕末につくられたものは唯一門だけが残る。受付で聞くと、これからもう少しすれば冬桜が咲くらしい(秋と春の二度咲く)。だがそれもまだで、土日は客がくるものの、やはり平日の客の入りは少ないという。内部は歴代の松前藩の資料やアイヌの道具などもあり、やはり蝦夷錦もあった。これを見て蠣崎波響は夷酋列像を描いたのかもしれない。一番上の階には夷酋列像の写真があって解説もあった。12時半過ぎまで見た。 そのあと松前城裏手の寺社を見る。京都の比叡山のように、城の守りとして藩が寺を建てたという。祭神が松前藩祖の武田信広である松前神社は当たり前だが、どの寺にも松前藩の紋がついている。
阿吽寺は小さなお寺だが、お堂の中には小さいながらも彩色の鮮やかな船絵馬がたくさんあり、古くから信仰を集めてきたと想像される。
歴代藩主の墓所もある。雪のせいだろうか、結構墓石がずれたり倒れたりしていて、見ていて気持ちのいいものではなかった。松の枝がいっぱい落ちていた。蠣崎波響の墓にもお参りする。
それから松前のかつての暮らしを再現したテーマパークのような「松前藩屋敷」へ。やっぱり寒い。人が誰もいない。
松前に和人が持ちこんだことから広まった、松前杉のお土産コーナーに居たおじさんは郷土誌の研究家で、けっこう話し込んだ。松前は人口7000人という規模にもかかわらず、学芸員資格を持って松前を研究している人が2人(最近までは3人)居るという。しかも、おじさん含めその人達は、みんな松前以外の出身で、町に魅力を感じて来るとのことだ。外部の人の方が町の魅力を発見し易いのだろう。今年は北海道新幹線開通なので、松前城などは例年よりはやく開館している。なかなかその影響は松前には及ばなさそうだという意味のことを言っていた。松前には、普通の資料には出てこないような、新撰組の誰誰がどこで死んだとか、そういう細かいことが伝承で残っていたりするのだそうで、マニアックな歴史愛好家にはたまらない町らしい。 藩屋敷は15時過ぎに見終わる。受付で預けていた荷物を返してもらう時、するめイカの小さな袋をもらった。こういうことがあるから旅行は楽しい。
道の駅「北前船松前」へは16時頃着く。何か食べたかったので、「松前焼きそば」なるものを食べてみた。その名のとおり松前漬の入った焼きそばである。まずくはないのだが、おいしいのかと訊かれると困るような味だ。ただの松前漬と焼きそばである。バスが二時間に一本で、18時まで道の駅でゆっくりすることになった。海眺めたりお土産を買ったりしていた。
18時にはもう外はだいぶ暗くなっていた。石を拾おうと海へ向かう階段を降りるも、テトラポッドがごちゃごちゃしていて進めない。足元に三角の変な形の石があると思って拾ったら貝殻だった。仕方なく貝殻を拾った。
18時10分頃にバス停松城から乗車。19時45分には木古内駅に到着。近くのツルハでお菓子やパンを買う。木古内駅構内には、小学生が描いた北海道新幹線の絵がいっぱいあった。観光の宣伝のためのポスターも見かけた。子どもから大人まで新幹線開通に期待を寄せているのだろう。思いが感じられる。札幌とは新幹線に対する空気感がまるで違う。函館行の最終電車20時25分木古内発に乗る。お菓子を食べながらのんびり函館へ。21時25分に到着。札幌行きのバスに乗るまで時間があるので、寒い中だが町をウロウロ。ラッキーピエロ駅前店でカレーを買って食うなどしていた。
23時50分発の高速バスで札幌へ。さよなら函館。函館は普通に観光をするには良い町だった。
翌 3月24日5時30分頃に札幌に到着。雪が降っていた。8時頃、天神山へ無事に戻る。