アートとリサーチ ワークショップ

丹野さんとフィールドワークの日 (3月22日)

2016年3月22日
丹野さんとフィールドワークの日
場所/羅臼

昨日約束したおじさんと一緒にフィールドワークをする。
おじさんは丹野さんという名前だ。
今日は快晴、国後島もよく見えるけど、かもめ以外の鳥が一匹もいない。2人で昨日行った チトライ川まで歩いた。
丹野さんの話は本当に面白い。そして目がとてもいい。話をしている途中でも目は森を 向いていて、鳥をすぐに見つけられる。丹野さんは動物の事が大好きで、動物の事は可愛いと言うけれど、自分が撮った動物の写真に対してはかっこ良いかかっこ悪いかで決めている。そして、丹野さんは何でも瞬間接着剤を使う。

例えば、カメラの右手親指部分に当たるが剥げて来たら瞬間接着剤を使ってくっつける。 今回は多めに付けてしまったので瞬間接着剤がはみ出ている。パソコンのCD を入れる所がぱかぱかしていた時、ぱかぱかしている隙間を瞬間接着剤で埋めたらしい。 丹野さんの周りで起こるいつもの事と動物の話をしながら私達は松尾という食事屋で塩ラーメンを食べた。昆布の味がした。丹野さんは昆布が嫌いだ。

私は一部分ではあるが、丹野さんについて今日でぐっと詳しくなっている。多分、私の知っているシマフクロウの生態よりも。
羅臼資料館に行って帰りのバスを待っている時に、「俺もこんなに長く羅臼に住むとは思ってなかったもんな~。ほんとに良いまちだ~。こんなまち、他にはない。」と言った。胸にぐっと突き刺さった。私は住む場所をおじさんが言っていたように心からそんなふうに思えるだろうか。今住んでいるまちはどうか、生まれて育ったまちはどうか。自分が住むまちを 「ほんとに良いまちだ。」と人に言えるだろうか。
帰り際、握手して別れるつもりだったのに丹野さんは私の顔を見ずに早足で「じゃ!」 と言って片手を上げて振り向かずに行ってしまった。もうちょっとしんみり別れたかったな。

今日も隣のカラオケルームにお客さんが入っている。
なんだか隣から聞こえる誰かのカラオケがやけに心に染みる。。。